ZIETrans とは

ZIETrans を使用すると、IBM® System z® プラットフォーム上で実行される 3270 アプリケーションと、IBM i オペレーティング・システム・プラットフォーム上で実行される 5250 アプリケーションに対して、使いやすいグラフィカル・ユーザー・インターフェース (GUI) を提供する Web アプリケーションを作成できます。ZIETrans アプリケーションは、オンライン・トランザクション処理 (OLTP) の能力を必要とすることなく、5250 アプリケーションにアクセスできます。本書では、これらの文字ベースの 3270 および 5250 アプリケーションをhost・アプリケーションと呼びます。host・アプリケーション内に含まれているビジネス・ロジックやトランザクションに対する標準のプログラミング・インターフェースを提供する、Web サービスを使用したサービス指向アーキテクチャー (SOA) アセットを作成することもできます。ビデオ端末 (VT) エミュレーション画面のデータにもアクセスできます。

ZIETrans アプリケーションの外観を最新のものにすることができます。ZIETrans Web アプリケーションを開発するときに、お客様の企業の Web ページに対応したインターフェースを使用できます。また、ユーザーは各自の Web ブラウザーからこの Web アプリケーションにアクセスできます。ZIETrans さらに、携帯電話、データ収集端末、および携帯情報端末 (PDA) などのモバイル装置からのアクセスを提供する、Web アプリケーションを開発することもできます。

ユーザーのデスクトップをターゲットとするネイティブ・クライアント・アプリケーションを提供するために、Eclipse リッチ・クライアント・プラットフォーム (RCP) 実装環境 ( ) で実行される HATS リッチ・クライアント・アプリケーションを作成できます。Eclipse RCP 環境について詳しくは、「https://wiki.eclipse.org/Rich_Client_Platform」を参照してください。

注: 本書では、特に明記されていない限り、ZIETrans Web アプリケーションおよび EJB アプリケーションにのみ適用される構成設定に (Web のみ) というマークが付いています。
ZIETrans には、次の 2 つのコンポーネントがあります。
  • ZIETrans Toolkit は、Eclipse のプラグインのセットです。 Eclipse のサポート対象のバージョンについて詳しくは、システム要件 」を参照してください

    ZIETrans Toolkit では、変更を行うたびにその変更をプレビューしたり保存したりしながら新規アプリケーションを開発できます。ZIETrans アプリケーションは、長期に渡って、または必要に応じて迅速に簡素化でき、それにより、そのデータを表示するhost・アプリケーションよりも使いやすくすることができます。場合によっては、host・アプリケーションから ZIETrans アプリケーションに機能を移すこともできます。

    ZIETrans アプリケーションの開発後に、このアプリケーションを実動ランタイム環境に展開します。

  • ZIETrans ランタイム・コードは、実動ランタイム環境、WebSphere® アプリケーション・サーバー にデプロイされた ZIETrans アプリケーションの一部として実行されます。ユーザーは ZIETrans GUI を介して ZIETrans アプリケーションを対話型で操作し、ユーザーとホスト・アプリケーションの間でデータが送受信されます。

下の図に、ZIETrans Web アプリケーションの開発、デプロイ、およびランタイムの各段階を示します。
  1. 開発者は、ZIETrans Toolkit を使用して ZIETrans Web アプリケーションを開発し、テストします。
  2. 開発者は、準備が完了したら ZIETrans アプリケーションを Java™ EE アプリケーションとしてエクスポートし、WebSphere Application Server システム上にインストールして実行することによりデプロイします。
  3. ユーザーは、Web ブラウザーを使用して ZIETrans アプリケーションにアクセスします。
  4. ZIETrans ランタイムは、Telnet サーバーを介してターゲット・ホスト・システムに接続します。
  5. ユーザーが ZIETrans アプリケーションを介してホストと対話すると、ZIETrans ランタイムにより、ホスト画面が GUI に変換されます。
図 1. ZIETrans Web アプリケーション
Web アプリケーション
次の図は、ZIETrans リッチ・クライアント アプリケーションの開発、デプロイ、およびランタイムの各段階を示しています。
  1. 開発者は、ZIETrans Toolkit を使用して ZIETrans リッチ・クライアント アプリケーションを開発し、テストします。
  2. 準備が整ったら、開発者は、ZIETrans アプリケーションを Eclipse フィーチャーとしてエクスポートし、アプリケーション・フィーチャーを含む更新サイトを作成し、それをデプロイ用の Web サーバーにアップロードします
    注: ZIETrans リッチ・クライアント・アプリケーションをデプロイするために、さまざまな方法を使用できます。
  3. リッチ・クライアント・プラットフォームを実行するユーザーは、ZIETrans アプリケーション・フィーチャーを更新サイトからダウンロードしてインストールします。
  4. ユーザーは、リッチ・クライアント・プラットフォーム環境を使用して ZIETrans アプリケーションを起動し、そのアプリケーションにアクセスします。
  5. ZIETrans ランタイムは、Telnet または WebFacing サーバーを介してターゲット・ホスト・システムに接続します。
  6. ユーザーが ZIETrans アプリケーションを介してホストと対話すると、ZIETrans ランタイムにより、ホスト画面が GUI に変換されます。
図 2. ZIETrans リッチ・クライアントapplication
アプリケーション (application)