ZIETrans EJB アプリケーションの作成と使用

1 つ以上のホスト・アプリケーションを変換し、エンド・ユーザーに Web ページを表示する通常の ZIETrans プロジェクトの代わりに、ZIETrans Enterprise JavaBeans (EJB) プロジェクトを作成できます。ZIETrans EJB プロジェクトにより、統合オブジェクトにカプセル化されたホスト対話にアクセスできます。統合オブジェクトは、別の ZIETrans アプリケーション、ユーザー作成の Java™ プログラム、Web アプリケーション、または別の EJB などの EJB クライアントにホスト・データを提供するために必要です。ZIETrans EJB プロジェクトにより、ホスト・データのコレクションをその表示から分離できます。複数の ZIETrans プロジェクトから呼び出すことができるようにしたい統合オブジェクトが 1 つ以上ある場合、それらの統合オブジェクトを ZIETrans EJB プロジェクトに組み込み、他の複数の ZIETrans プロジェクトからそれらの統合オブジェクトを呼び出すことができます。ZIETrans EJB プロジェクトの構成が完了したら、それを ZIETrans EJB アプリケーションとしてアセンブルできます。

注:

ここでは、読者が EJB の基本概念に精通していることを前提としています。そうでない場合は、このサブジェクトに関する Eclipse の資料、またはご使用のバージョンおよびエディションの WebSphere Application Server の WebSphere® Knowledge Center を参照してください。
ZIETrans EJB プロジェクトで Web 高速ログオンを使用するように構成された統合オブジェクトは組み込むことができません。
Host Publisher で EJB プロジェクトを作成した場合、それらを ZIETrans プロジェクトにインポートできます。

ZIETrans EJB アプリケーションは、エンド・ユーザーとは直接対話せず、またホスト画面も変換しません。これには、ZIETrans プロジェクトに含まれる次のリソースは含まれません: 画面カスタマイズ、テンプレート、または変換。ZIETrans EJB アプリケーションには 1 つ以上の統合オブジェクトが含まれており、その統合オブジェクトのサービスを、呼び出し側プログラムで使用できます。

ZIETrans EJB プロジェクトを作成すると、ZIETrans Toolkit で新しいビューが開きます。このビューの名前は、「ZIETrans EJB プロジェクト」ビューです。このビューは「ZIETrans プロジェクト」ビューに似ていますが、このビューには ZIETrans EJB プロジェクトのみ含まれます。このセクションで説明している EJB リソースを表示します。ZIETrans EJB プロジェクトで作業するために、他の ZIETrans プロジェクトの「ZIETrans プロジェクト」ビューを使用するのと同じ方法で「ZIETrans EJB プロジェクト」ビューを使用できます。例えば、マクロを記録するには、「ZIETrans EJB プロジェクト」ビューでプロジェクト名をクリックし、「ホスト端末」アイコンをクリックして、プロジェクトのメイン接続のホスト端末を開きます。

ZIETrans EJB アプリケーションは、1 つ以上の統合オブジェクトで構成されるエンタープライズ・アーカイブ (EAR ファイル) であり、統合オブジェクトのサービスは EJB クライアントで使用できます。ZIETrans EJB アプリケーションは、通常、次のパーツで構成されます:

ZIETrans プロジェクト (Web モジュール)。これには、以下が含まれます:

1 つ以上の EJB Access Bean。EJB Access Bean は、ZIETrans EJB の検出、EJB のインスタンスの作成、EJB のメイン・ビジネス・メソッドの呼び出しを行います。このとき、JSP によって設定された統合オブジェクト・プロパティーを含む統合オブジェクトのプロパティー・オブジェクトを入力として渡します。
統合オブジェクトをローカルで実行しているように EJB Access Bean と対話する 1 つ以上の JSP。これらのリソースは「ZIETrans プロジェクト」ビューに表示されます。

ZIETrans EJB プロジェクト (EJB モジュール)。これは、以下で構成されます:

ZIETrans EJB。ZIETrans EJB は、ステートフル・セッション EJB として実装されます。
1 つ以上のヘルパー・オブジェクト。ヘルパー・オブジェクトは、入力パラメーターで起動され、実際の統合オブジェクト機能を実行させます。統合オブジェクトの実行が完了すると、統合オブジェクトのプロパティー・オブジェクトの新規インスタンスが EJB Access Bean に戻されます。
1 つ以上の統合オブジェクト (.java ファイル)
1 つ以上の接続定義 (.hco ファイル)
オプションで、1 つ以上の接続マクロおよび切断マクロ (.hma ファイル)
統合オブジェクトの作成に使用できる 1 つ以上のマクロ (.hma ファイル)
アプリケーション・ファイル (application.hap)
EJB サポート・ファイル (*.java ファイル)

これらのリソースは「ZIETrans EJB プロジェクト」ビューに表示されます。

ZIETrans EJB サポートは、ZIETrans EJB を提供するだけでなく、統合オブジェクトごとに EJB Access Bean を生成します。この EJB Access Bean のシグニチャーは統合オブジェクトと同じです。このため、EJB Access Bean を使用して統合オブジェクトを実行するために、アプリケーションと JSP を開発できます。EJB Access Bean のシグニチャーは統合オブジェクトと同じであるため、元の統合オブジェクトを使用するのと同じように、クライアント・サイドのコードで EJB Access Bean を使用できます。したがって、クライアントは次のいずれかになります。

EJB コンテナーで統合オブジェクトを実行する Web アプリケーション内で、1 つ以上の EJB Access Bean を使用する JSP またはサーブレット。
EJB コンテナーで統合オブジェクトを実行するために 1 つ以上の EJB Access Bean を使用するカスタム EJB。
WebSphere Application Client 実行環境で動作する Java アプリケーション。

図 1. ZIETrans EJB プロジェクト