概要

Z and I Emulator for Transformation (ZIETrans) Toolkit は、文字ベースの 3270 または 5250 ホスト・アプリケーションのための使いやすいグラフィカル・ユーザー・インターフェース (GUI) を備えた Web ZIETrans アプリケーションを作成およびカスタマイズするための多くのツールを提供します。ZIETrans Web アプリケーションは、貴社の Web ページに適したルック・アンド・フィールを使用して開発できます。また、ユーザーは各自の Web ブラウザーからこの Web アプリケーションにアクセスできます。ZIETrans を使用すると、文字ベースの 3270、5250、または VT アプリケーションに含まれているロジックから、サービス指向アーキテクチャー (SOA) アセットを作成することもできます。

サービス指向アーキテクチャーは、ビジネス・プロセスおよびソフトウェア・ユーザーの要件をサポートするために、結合ソフトウェア・サービスの使用を定義するソフトウェア・アーキテクチャーの全体像を表現します。SOA 環境では、ネットワーク上のリソースは、基礎となるプラットフォームのインプリメンテーションの知識がなくてもアクセスできる独立サービスとして使用可能にされます。

また、SOA は、疎結合サービスと相互運用サービスを結合することによって構築されるアプリケーションの作成を可能にする情報システム・アーキテクチャーのスタイルと見なすことができます。これらのサービスは、基礎となるプラットフォームおよびプログラミング言語とは独立した形式的定義または契約 (例えば、WSDL) に基づいて相互運用します。インターフェース定義は、言語固有サービスのインプリメンテーションがわからないようにします。そのため、SOA 準拠のシステムは、開発テクノロジーおよびプラットフォーム (Java™ や .NET など) から独立することができます。たとえば、.NET プラットフォームで実行する C# で作成されたサービスおよび Java EE プラットフォームで実行する Java で作成されたサービスのどちらも、共通する複合アプリケーションで消費できます。さらに、一方のプラットフォームで実行するアプリケーションが、他方のプラットフォームで実行するサービスを Web サービスとして消費できるため、再利用が促進されます。SOA は、複合エンタープライズ・システム内の統合および一元管理アクティビティーをサポートできますが、SOA は機能やサービスを文書化するための方法論またはフレームワークを指定または提供することはありません。

ZIETrans Toolkit および Eclipse のウィザードおよびエディターを使用しても追加できない機能が、ZIETrans アプリケーションで必要になることがあります。 この「Web アプリケーション・プログラマーズ・ガイド」「」では、追加のプログラミングを行うことにより、ご使用の ZIETrans アプリケーションを拡張する方法をいくつか説明します。また、次のような ZIETrans の基本的な概念を読者が十分理解していることが前提になっています。
  • ZIETrans によるホスト画面の処理方法
  • コンポーネントおよびウィジェットを使用して変換を作成する
  • イベントとアクション
  • グローバル変数の使用
  • マクロの記録
  • マクロから統合オブジェクトを作成する

これらのトピックについて十分理解されていない場合は、「ZIETrans ユーザーと管理者のガイド」の説明を参照すると、本書で説明されている情報を有効に利用するための基本的な知識を得ることができます。また、Eclipse を使用して、 Java EE アプリケーションを作成する方法についての知識も必要です。

この「Web アプリケーション・プログラマーズ・ガイド」「」では、ご使用の ZIETrans アプリケーションをプログラミングによって拡張する方法を説明します。以下を行うことができます。
  • ビジネス・ロジック・クラスを追加し、イベント発生時のアクションとして呼び出されるようにする。ホスト画面認識を補助するために、カスタム・ロジックを作成することもできます。詳しくは、ビジネス・ロジックの 追加を参照してください。
  • 既存のホスト・コンポーネントおよびウィジェットを拡張することにより、変換で使用する新しいコンポーネントまたはウィジェットを追加する。詳しくは、カスタム・コンポーネントおよびウィジェットの作成を参照してください。
  • 統合オブジェクトを使用して複数のプログラミング・タスクを実行する。
  • 1 つ以上の統合オブジェクトを Web サービスとして使用できるようにし、そのオブジェクトを他のアプリケーションで使用できるようにする。
  • Web Expressログオンのための独自のプラグインを作成する。
  • ZIETrans 双方向 API を使用して、双方向コード・ページを使用するアプリケーションで画面要素の方向を操作する。詳しくは、ZIETrans 双方向 API の使用を参照してください。

アプリケーションを拡張する際、一部の Java ソース・ファイルを編集する必要が生じる場合があります。Eclipse の資料は、このタスクに役立ちます。