クラスター環境での ZIETrans アプリケーションの構成

縦方向にクラスター化された環境に ZIETrans Web アプリケーションを配置すると、各アプリケーション・サーバー・インスタンスは、ロギング、トレース、ライセンス追跡用の独自のファイルを作成します。これは、出力ファイルの名前にアプリケーション・サーバー・インスタンスの完全修飾名を付け足すことによって実行されます。例えば、ロギング・ファイルのデフォルト・パターンは messages.txt ですが、実際のファイル名は messages_myCell_myNode_myAppServerInstance_1.txt のようになります。

デフォルトでは、すべてのサーバー・インスタンスが同じ runtime.properties ファイルの設定を 読み取ります。ランタイム設定を正しく制御するには、各インスタンスが専用のランタイム・プロパティー・ファイルを持つように構成する必要があります。これにより、各インスタンスのトレースを個別に制御できるようになり、ランタイム設定が意図せず変更されるのを防ぐことができます。

縦方向にクラスター化された ZIETrans アプリケーションのインスタンスがそれぞれ専用の runtime.properties ファイルを持つように構成するには、次の手順を実行します。

  1. 縦方向のクラスター内のアプリケーション・サーバー・インスタンスごとに、runtime.properties ファイルのコピーを作成します。
    1. ご使用の ZIETrans アプリケーションの runtime.properties ファイルを見つけます。このファイルは、WebSphere® Application Server をインストールしたディレクトリーの下の installedApps\app_name.ear ディレクトリーにあります。
    2. 各インスタンスで、runtime.properties ファイルのコピーを作成します。そのファイルには固有の名前を付け、同じディレクトリーに配置します。例えば、ファイル Clone1runtime.properties、Clone2runtime.properties などの名前を付けます。有効なファイル名であれば何でもかまいませんが、このファイルに関連する アプリケーション・サーバー・インスタンスを管理者が特定できるような名前にしてください。
    3. この時点で、n 個のサーバー・インスタンスに対して固有のランタイム・プロパティー・ファイルを n 個保持しています。
    4. 縦方向にクラスター化された環境内に複数の ZIETrans .ear ファイルがある場合は、各 .ear ファイルのディレクトリーでこの手順を繰り返します。
  2. 新規構成設定を追加して、各インスタンスで使用する runtime.properties ファイルを 識別します。例えば、WebSphere Application Server V6. x の場合は、次のようになります。
    1. WebSphere Application Server 管理コンソールの左側のナビゲーション・ペインにある「サーバー」項目の「アプリケーション・サーバー」を選択します。
    2. アプリケーション・サーバーのリストからサーバー・インスタンスを選択します。
    3. サーバーの「構成」タブから、「Java およびプロセス管理」を選択します。
    4. 「プロセス定義」>「Java 仮想マシン」>「カスタム・プロパティー」を選択します。
    5. 「カスタム・プロパティー」ウィンドウで、「新規」をクリックします。
    6. 「名前」フィールドに、zietrans.runtime.properties と入力します。
    7. 「値」フィールドで、Clone2runtime.properties など、このサーバーに対して作成したプロパティー・ファイルの名前を入力します。この値でディレクトリー名やスラッシュは指定しないでください。
    8. 「説明」フィールドには値は必要ありません。
    9. 「適用」をクリックします。
    10. 各サーバー・インスタンスに対してこの手順を繰り返します。

新規カスタム・プロパティーを追加して、各サーバー・インスタンスに固有の名前の付いた専用の runtime.properties ファイルのコピーがあることを確認したら、新規ファイルの使用を開始するように各アプリケーションを再始動する必要があります。

ZIETrans 管理コンソールは、クラスター・メンバーの設定を制御するのに使用できます。「管理 Web」ページの「ナビゲーション」パネルの「スタートアップ・ガイド」フォルダーを使用して、「管理の有効範囲」を選択します。クラスターを選択した後、「トレース設定」の表示を選択すると、制御する特定のクラスター・メンバーの入力を要求されます。
注: クラスタリングとユーザー・リストを使用する場合は、以下のような特別な考慮事項があります。詳しくは、『クラスタリングとユーザー・リスト』を参照してください。