統合オブジェクト・チェーニングの使用

チェーン内の統合オブジェクトは、接続を (ある画面で) ある状態にします。統合オブジェクトが実行を終了したら、その状態で (つまり、その画面で) 開始する別の統合オブジェクトが実行できます。

チェーニングを使用すると、複雑なアプリケーションを複数のタスクに分割できます。各タスクは 1 つの統合オブジェクトによって表現されます。統合オブジェクトの順序を正しく指定する必要があります。

例えば、あるチェーンに 3 つの統合オブジェクト (A、B、および C) がある場合、最初に A を使用し、次に B を使用し、最後に C を使用する必要があるとします。統合オブジェクト B よりも先に統合オブジェクト C が呼び出された場合、C がその接続を要求したときに接続が正しい状態で使用可能になっていないと、この統合オブジェクトは失敗します。

図 1. チェーニングを使用した場合の接続の存続時間
チェーニングを使用した場合の接続の存続時間
図 1 は、3 つの統合オブジェクトの実行全体を通しての接続の存続時間を示しています。統合オブジェクト A が最初で、統合オブジェクト B が中間で、統合オブジェクト C が最後として構成されています。接続状態データは、最後の統合オブジェクトの実行の接続および状態ラベルを表します。
  1. 統合オブジェクト A は、実行を開始すると、マクロに指定されている接続を取得します。チェックイン画面が使用可能であり、かつ、接続が使用可能な場合、接続はすでにログオン済みでレディー状態です。チェックイン画面が使用可能で接続が使用不可である場合、接続が作成され、(指定されている場合は) 接続マクロが実行されます。チェックイン画面が使用不可の場合は、接続が作成され、(指定されている場合は) 接続マクロが実行されます。
  2. 統合オブジェクト A は関連付けられたマクロを実行し、次の呼び出しに備えて、接続およびその現在の状態を保存します。(統合オブジェクト・チェーニング時に、この状態を停止状態ラベルとして定義しておきます)。
  3. 統合オブジェクト B は、実行を開始すると、接続状態データから接続およびその状態を取得します。それはこれが中間の統合オブジェクトであるためです。統合オブジェクト B の開始状態ラベルは、統合オブジェクト A の停止状態ラベルとして定義しておく必要があります。これにより、これらの統合オブジェクト・チェーニングが可能になります。
  4. 統合オブジェクト B の実行が完了すると、接続およびその状態が接続状態データに保存されます。
  5. 統合オブジェクト C もまた、接続状態データから接続を取得します。統合オブジェクト C は、実行を開始すると、接続状態データから接続およびその状態を取得します。それはこれが最後の統合オブジェクトであるためです。統合オブジェクト C の開始状態ラベルは、統合オブジェクト B の停止状態ラベルとして定義しておく必要があります。これにより、これらの統合オブジェクト・チェーニングが可能になります。接続は常に戻されるので、チェーンの最後の統合オブジェクトには終了ラベルがありません。
  6. チェックイン画面が使用可能である場合、接続はプールに戻ります。使用不可の場合、(指定されている場合は) 切断マクロが実行され、接続が終了します。
注: チェックイン画面は、接続設定の「マクロ」タブで設定できますチェックイン画面設定を使用可能にするには、プールを使用可能にする必要があります。詳しくは、『接続エディター』を参照してください。

ZIETransで統合オブジェクト・チェーニングを使用してアプリケーションを構築するには、最初に統合オブジェクトを構築し、その後で、統合オブジェクトから Web ページを作成する必要があります。

以下のステップに従って、アプリケーションを作成してください。
  1. マクロを記録します。
  2. 各マクロから、チェーニングされた統合オブジェクトを作成します。
  3. それぞれの統合オブジェクトの Web ページを作成
マクロの記録

ZIETrans ホスト端末を使用して、ZIETrans Toolkit にマクロを記録することができます。そのためには、ZIETrans ホスト端末画面で、「マクロの記録」アイコンをクリックします。マクロの記録については、マクロ関連アイコンを参照してください。

作成するそれぞれの統合オブジェクトごとに、これらのステップを実行します。

それぞれのマクロからの統合オブジェクトの作成
すべてのマクロを作成後、ZIETrans ToolkitZIETrans プロジェクト表示」タブに移動します。次に、プロジェクト名を展開し、「マクロ」フォルダーを開きます。

個々のマクロを右マウス・ボタンでクリックし、「チェーニングされた統合オブジェクトの作成」を選択します。オブジェクト・チェーン内での位置を、「最初」「中間」「最後」の中から選択できます。「最初」を選択した場合、統合オブジェクト・チェーニングの構成時の状態は停止状態になります。「中間」を選択した場合、状態は開始状態または停止状態になります。オブジェクト・チェーンの「最後」の位置では、開始状態を使用します。

チェーンを構成するすべての統合オブジェクトについて、この作業を行う必要があります。

それぞれの統合オブジェクトからの Web ページの作成
統合オブジェクトの作成が完了したら、Web ページを作成できます。統合オブジェクトから Web ページを作成する方法の詳細については、統合オブジェクトからの Web ページのビルドを参照してください。