統合オブジェクトからのボトムアップ Web サービスの作成

このセクションでの説明は、お客様が統合オブジェクト内のすべてのプロパティーとメソッドと同様の入力と出力のプロパティーとメソッドを備えた Web サービスを作成したいと考えていることを想定しています。言い換えれば、作成する Web サービスのシグニチャーを Web サービスに組み込まれた統合オブジェクトのシグニチャーと同様にしたいと考えていることが前提になります。このシナリオは、ボトムアップ Web サービスといいます。

Web サービスを作成するには、「ZIETrans プロジェクト」ビューにおいて以下の手順を実行します。
  1. 使用する統合オブジェクトが含まれるプロジェクトを展開し、続いてソース・フォルダー、IntegrationObject フォルダーを展開します。
  2. プロジェクト内にある任意の統合オブジェクトを右クリックして、「Web サービス・サポート・ファイルの作成」を選択します。
  3. 「Web サービス・サポート・ファイルの作成」ウィザードでは、Web サービスに組み込む統合オブジェクトのソースとして、任意のプロジェクトを選択できます。ここでクリックしたプロジェクトがデフォルトになります。ZIETrans Web サービス・サポート・ファイルのクラス名を指定します。クラス名の先頭の文字は大文字にしてください。このクラスは、この Web サービスのラッパー・クラスと呼ばれます。このラッパー・クラスを使用すれば、1 つの Web サービスに組み込む統合オブジェクトまたは EJB Access Bean の論理グループを選択できます。例えば、チェーンのすべての統合オブジェクトをラッパー・クラスに組み込むように選択できます。統合オブジェクトのリストを表示して、組み込む対象を選択するには、「次へ」を選択します。
  4. Web サービスに組み込むリソース (統合オブジェクトおよび EJB Access Bean) を 選択します。特定のリソースについて Web サービスが公開する入出力のプロパティーを変更するには、リソースを選択し、「プロパティー」をクリックします。
  5. 「プロパティーの選択」ページで、Web サービスで公開する 入出力のプロパティーを選択します。プロパティーの 別名を「別名」フィールドに指定することもできます。「全選択」ボタン、「全選択解除」ボタン、および「デフォルトを選択」ボタンを使用して、プロパティーを選択してください。「OK」をクリックします。
    注:
    1. 単一統合オブジェクトおよび EJB Access Bean のデフォルトは、入力プロパティーに ついては全マクロ・プロンプト、出力プロパティーについては全マクロ抽出です。
    2. チェーニングされた統合オブジェクトのデフォルトは、入力プロパティー については、全マクロ・プロンプトと hPubLinkKey (必須)、出力プロパティー については、全マクロ抽出と hPubLinkKey (必須) です。
    3. チェーニングされた EJB Access Bean のデフォルトは、入力プロパティー については、全マクロ・プロンプトと hPubLinkKey および hPubAccessHandle (両者必須)、 出力プロパティーについては、全マクロ抽出と hPubLinkKey および hPubAccessHandle (両者必須) です。
    4. 統合オブジェクトの接続オーバーライドが Web サービスに公開されるよう指定する には、hPubConnectionOverrides プロパティーや hPubStartPoolName プロパティーなど、 デフォルトでは選択されない適切なプロパティーを選択する必要があります。詳しくは、『接続オーバーライドの指定』を参照してください。
    5. 他の統合オブジェクト・メソッドの使用について詳しくは、統合オブジェクトを使用したプログラミングを参照してください。
  6. 「完了」をクリックします。ZIETrans は Web サービスの作成に使用するクラスのセットを作成します。以下のクラスが、 「ZIETrans プロジェクト」ビューの Sourcewebserviceclasses フォルダーに表示されます。
    • 指定したラッパー・クラス。このラッパー・クラスには、ラッパー・クラスに組み込むように選択された各統合オブジェクトの io_nameProcessWS() メソッドがあります。Eclipse WDT のツールと のウィザードを使用して Web サービスを作成すると、ラッパー・クラス内のすべての io_nameProcessWS() メソッドを含む Web サービスが作成されます。
    • ラッパー・クラスに組み込まれた各統合オブジェクトの入力プロパティー・クラス (io_name_Input_Properties)。入力プロパティー・クラスは、統合オブジェクトに必要なすべての入力の設定に使用されます。
    • ラッパー・クラスに組み込まれた各統合オブジェクトの出力プロパティー・クラス (io_name_Output_Properties)。すべての統合オブジェクトの出力プロパティーは、出力プロパティー・クラスから検索できます。
  7. これで、Eclipse WDT のツールとウィザードを使用して Web サービスを作成する準備ができました。 このボトムアップ Web サービスの開発の章を参照しながら、使用可能な手順とオプションを理解してください。Web サービスの作成を続ける前に、少なくとも Web サービスを展開する予定のサーバーは始動しておいてください。これらの説明では、Web サービスの作成、Web サービスのテスト、および Web サービス・クライアントの作成に別々の手順を使用することを想定しています。
  8. webserviceclasses パッケージを展開します。作成したラッパー・クラスを右マウス・ボタンでクリックし、「Web サービス」>「Web サービスの作成」を選択します。「Web サービス・タイプ」は、デフォルトでは「ボトムアップ Java Bean Web サービス」になります。必ずこのデフォルトのままにしてください。ここで「完了」をクリックするか、または Eclipse の資料で説明されている、要件に最適な他のオプションを選択することができます。オプション「WSDL ファイルをプロジェクトに生成する」を選択すると、Eclipse WDT のツールおよびウィザードの によって、Web サービスのインターフェースを記述した Web サービス記述言語 (WSDL) ファイルが作成されます。この WSDL ファイルは、ZIETrans プロジェクト表示の Web サービス・エクスプローラーを使用する Web サービスをテストするために使用することができます。このオプションを選択しない場合、動的に生成された WSDL ファイルを使用して、 Java™ EE パースペクティブのサービス・ビューの Web サービスをテストすることができます。すべての選択を完了したら、「完了」をクリックしてください。
  9. クライアントを作成する前に Web サービスをテストするため、Web Services Explorer による Web サービスのテストに進んでください。